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脊髄損傷の車椅子建築士が伝える「バリアフリー住宅の実情」④ ~トイレ編 1~

 

 


バリアフリー住宅と称される住宅の室内に入って来ました。
バリアフリー住宅の実情を実際に検証して行きましょう。
まずは生活の基本となる「トイレ」を覗いてみます。

バリアフリー住宅と言われるだけあって、トイレ出入口には段差は無くフラットの状態が殆どです。
次に手摺の設置はされているものの、殆どが片側に一ヶ所に設置しているケースが殆どです。

では一般のバリアフリー住宅と呼ばれる住宅が何故使用し辛いのでしょうか。

皆さんもご自宅のトイレを思い浮かべながら考えて見ましょう。

まず、トイレ室内への出入口です。基本的にトイレの扉は、トイレ内で転倒した場合、救助の事を考慮して、外開き構造となっています。次に扉幅ですが、室内搬入物が限られる事(小物)等の理由で、他の居室の扉幅よりは狭くなっています。

と、なると基本的には車椅子での入室出来る幅員(基本W800)が確保出来ていない。
(=車椅子が入れない)のが現状となります。

次に住宅の便器の向きです。一般的に大きく2通りに分けられます。入口に向かって

①正面に設置してある。 ②横に設置してある。

 

 


では車椅子からどの様に便器に乗り移る(以下移乗)するのでじょうか。移乗方法をお伝えします。

①の場合、車椅子を便器の正面に固定し、まず足を下ろし、手摺を使用し足を軸にしてお尻を180度方向転換しなくてはいけません。この場合立位が取れる人で有れば、この移乗動作は可能ですが、
立位不可の方は移乗は不可能となります。

②の場合、車椅子の先端が便器の先端と直角位になる位の位置に固定し、足を下ろし、
手摺を使用して足を軸にしてお尻を90度方向転換します。
この移乗動作は立位が取れる人も、取れない人も可能となりますし、介助者も楽となります。

 

 

 

 


さて、現状のバリアフリー住宅はどの様になっているでしょうか。
入口(扉)と便器の位置関係は殆ど①のケースが見受けられ、
トイレ室内に入れるものの車椅子からの便器への移乗は難しいと言う実態が生まれています。
バリアフリー住宅とは言えども、車椅子使用者がトイレを使用出来ない状況が生まれる理由がここにあります。

皆さんのお住まいのトイレは如何でしょうか。入口(扉)と便器の位置関係を確認して見て下さい。

次は脊髄損傷者の車椅子使用者が見た「バリアフリー住宅の実情」 ⑤ ~トイレ編 2~と題して

車椅子から便器に移乗する時に必要不可欠な便器の高さについてお話致します。

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