脊髄損傷の車椅子建築士が伝える「車椅子使用者の家探し」
突然の障害や怪我を負って急性期病院で治療を受け、その後在宅復帰を目的とした
リハビリ中心の回復期病院の医療機関等の入院は、昔と違い期限が限られてる
のが現状です。
在宅に戻るのであれば、自宅を住環境整備する事で問題解決となりますが、
自宅以外で生活を望む車椅子使用者も多いのも事実です。
その方達は当然の事ながら家探しが必要となります。
車椅子使用者の家探しは従来の家探しと違い
大きなハードルを越えなくてはなりません。
それは住環境整備が必要となる事であります。
この事は全ての車椅子使用者に言える事で、家の形態によります。
所謂、自宅(持ち家等)であるか、賃貸であるかです。
自宅(持ち家等)の場合住環境整備はある程度車椅子使用者仕様にする事は可能ですが、賃貸の場合は様々なハードルが待ち受けます。
ではどの様なハードルなのでしょうか。
◎住環境整備には建物オーナーの了承を得なくてはならない。
◎住環境整備には建物構造の制約が絡んでくる。
◎退居時現状復帰が必要となる。及びその費用が加算される。
◎その他
これらの条件の踏まえた上で、家探しを行わなくてはなりません。
あと車椅子使用者として見落としされ易いのは、
車椅子使用者の生活に担った間取りかどうか、です。
車椅子使用者は十人十色。全ての車椅子使用者が同じ動きをするとは限らない事です。
その事を把握した上で
①玄関までのアプローチ
②トイレの向き及び周辺スペース
③浴室の向き及び周辺スペース
④各居室間の敷居等の段差
⑤その他
を注意・確認しなくてはならない箇所となります。
本来の家探しは
*最寄り駅から何分 *家賃 *間取り 等
開示した上で、不動産屋から不動産図面(平面図)が提示されます。
内容確認した上で、現地確認後納得すれば契約と言う運びとなるのが通例ですが、
車椅子使用者の場合は
前述の様々なハードル等がある事で通例の方法での家探しは困難となります。
不動産屋も様々なハードルを抱え、制約に至る迄に時間を要する車椅子使用者の家探しに
真剣に取り組む業者はあまり居ないのが実情です。
又前述の通り車椅子使用者の生活を把握している業者は皆無と言って良いと思います。
その為車椅子使用者の家探しには時間を要し、悔しいですが条件にはある程度
妥協も必要となって来るのが現状です。
安心して下さい。当事務所でもサポートは致しますので、まずはご連絡下さい。
そしてそんな苦労して見つかった賃貸の家には当然の事ながら、住環境整備が必要
となってきます。
次回は住環境整備するには何処にお願いすれば良いのか。
現状問題点・注意点等をお話したいと思います。